ひろ

幸せになるための恋のレシピのひろのレビュー・感想・評価

3.5
アンナ・ガヴァルダのベストセラー小説「恋するよりも素敵なこと-パリ七区のお伽話」をヌーヴェルヴァーグの巨匠クロード・ベリが映画化したフレンチ・ラブ・ストーリー

またしても、いい作品に出会った
そしたらまたまたフランス映画だった。

イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、アメリカなど素晴らしい映画を作る国はたくさんあるけど、平均的にクオリティーの高さはフランス映画が1番なんじゃないかな。

アメリカとか日本の恋愛映画って、劇的な展開とか派手さに逃げてるとこがあるけど、フランス映画はドラマの描き方がうまいから、地味で奇抜な設定も展開もなくても面白いんだよね。

なんせ好みの女性を見かけたら声をかけるってぐらいの恋愛大国フランスなんだから、引っ込み思案で内向的な日本人なんかが作る恋愛映画とは質が違うって話ですよ

この作品はそんなに恋愛を全面に出さずに、人間関係を描いてて、その優しい人間関係に心が癒される素敵な作品

カミーユ役のオドレイ・トトゥは、拒食気味の女性役だからかなりやつれてて、顔色も悪いんだけど、それが物語が進むに連れて改善されてくのがいいね。
思いきった猿みたいなベリー・ショートにしてて可愛らしい
オドレイ・トトゥって日本の女性にも人気あるよね

ギョーム・カネ演じるフランクは、最初はやなやつかと思ったら祖母思いのいいやつでかっこよかった。

そして、この作品でセザール賞新人俳優賞を受賞したフィリベール役のローラン・ストッカー
この人の情報ほとんどないんだけど、フィリベールがすげーいいやつでなんか泣けた

いい俳優が出てて、いい映画なのに、日本じゃ未公開って言うんだから笑っちゃうね

しかもせっかくいい作品なのに、またしても邦題が台無しに
日本でも人気作品の「幸せのレシピ」を意識したのか「幸せになるための恋のレシピ」ってなってるけど、全くと言ってもいい的はずれなタイトル。ここまでひどいと泣けてくる

作品としてはすごくいい作品だし、フランス映画としても誰でも見やすいタイプのフランス映画になってるんで、ご覧あれ!
ひろ

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