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ロードゲームの一人旅のレビュー・感想・評価

ロードゲーム(1981年製作の映画)
4.0
リチャード・フランクリン監督作。

スリラー映画を十八番とするリチャード・フランクリン監督がオーストラリア時代の1981年に演出を手掛けた脱力系サスペンスで、ひょんなことから連続殺人事件に巻き込まれたトラック運転手の奮闘を描きます。

オーストラリアで食肉専門のトラック運転手として働いている主人公が、巷で発生している連続猟奇殺人事件の犯人に偶然遭遇し、逃げる犯人を仕事そっちのけで追跡していく様子を描いたサスペンスで、犯人を追っているつもりが逆に自分が殺人の容疑者として追われる身となってしまった主人公の窮地と起死回生の打開劇を、道中出逢ったヒッチハイカーのヒロインとの関わりを軸に描き出した“巻き込まれサスペンス”となっています。

オーストラリアの広大な大地の中で繰り広げられるステイシー・キーチ扮する中年トラック運転手vs連続猟奇殺人鬼の一騎打ちのゆくえを、終始スリリングに…というより全編を通じて“ゆるい”牧歌的タッチで描いた異色のロードサスペンスで、主人公の相棒である一匹のワンコの愛らしい仕草と気ままな行動が画面のゆるさにいい意味で拍車をかけていますし、ジェイミー・リー・カーティス扮する紅一点の風来坊ヒロインとのユーモラスな掛け合いも心地いい隠れた佳作であります。
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