ルネ

R-18文学賞vol.1 自縄自縛の私のルネのレビュー・感想・評価

3.0
2013年2月2日公開。 監督は竹中直人。

原作は「女による女のためのR-18文学賞」を受賞した、蛭田亜紗子の同名小説。

会社や母親との関係にストレスを感じてるOL(平田薫)が、自分で自分を縛るプレイにハマるお話。

おとなしめな女性が主人公なのだが、彼女が会社でのストレスにさらされたり、バシバシくる感じの母親にガミガミ言われたりする様が、観てて悲しい。 そんなに重い表現じゃないのだが、いたたまれない気持ちになります。

彼女も含めて、会社の上司や同僚が登場するたびに、その人の生い立ちから現在までがイラストとともに手短に紹介されるのが面白い。 上司のひとりの、「モデルになったがあまりにナルシストすぎて現場で反感を買い、3か月で引退」とか結構笑えます。 みんなどっかで挫折してる人たちばっかりなので、なんか親近感がわきます。

最初はビニールテープで縛ったりしてたのだが、本格的な縄で自分でなめしたり、完成した縄をうっとり見つめながら舐めたりするシーンはなかなか淫靡です。

その行為が段々エスカレートしていきつつ、周囲の人たちとも絡んで色々あるのだが、髪短いし体も細すぎて全然色気を感じなかった彼女が、ハッとするほどセクシーに見える瞬間が何度もあって、なかなか撮り方が上手いと思います。

原作もそうなのか、監督が竹中直人だからかはわからないけど、結構コメディっぽい作風で、監督らしい笑いは7割ぐらいスベってると思う。 竹中直人の笑いって、クドすぎたりウザかったりするのだけど、たまに笑えます。

彼女が縛りに対して盛り上がってる理由というか、情熱みたいなものが全然感じられないのが残念だった。 もっとなんかあるだろう。 自分で縛った状態で犯されるシーンがなかなかエキサイティングだったのだが、せっかくならもうちょっとエロくしてほしかった。 中途半端だと思う。

ストーリーは凡庸だけど、全然興味のなかった主人公が、最後には好きになる作品でした。
ルネ

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