谷口

孔雀夫人の谷口のレビュー・感想・評価

孔雀夫人(1936年製作の映画)
4.0
後半から傑作。旅行代理店のカウンター前でウォルター・ヒューストンとメアリー・アスターが交わるか交わらないか、瀬戸際の駆け引きにハラハラと胸躍る。この二人が出てくるショットの演出はもれなくギンギンに冴えていて、ルース・チャタートンからの鳴り止まない電話越しに楽しげな二人がとても良い。耳を塞ぎたくなるチャタートンの毒舌を聞くヒューストンで切り返さないところが本当に信頼できる。チャタートンの断末魔が汽笛にかき消され、モーター音と共にヒューストンがアスターのもとへ帰ってくるラストでは内心拍手喝采。窓の前に人が立つショットが多く、冒頭の社長室でのヒューストンやパリのホテルでのチャタートン、出航する船を見送るアスターなど、どれも印象的。とにかくメアリー・アスターみたいな顔がめっちゃ好き
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