マーくんパパ

金融腐蝕列島 〔呪縛〕のマーくんパパのレビュー・感想・評価

金融腐蝕列島 〔呪縛〕(1999年製作の映画)
4.0
このところ見応えある映画少なかったが久しぶりに堪能出来る映画観た。バブル崩壊後に戦後の大蔵省主導の誤送船団方式崩れ大手銀行破綻〜再建の激動時代になった金融界を活写して小気味良い。ノンバンク住専問題、総会屋との癒着、不良債権の山、MOF担接待のノーパンしゃぶしゃぶ、銀行国有化etcホントに色々あった。本作はその一部、総会屋への巨額不正融資で世間の指弾浴びる大手銀行で出直し改革推進するミドルエイジたちの奮戦記を描いている。私の大学卒業時には都市銀行13行(第一勧銀、富士、三菱、住友、三和、三井、大和、東京、東海、協和、太陽神戸、北海道拓殖、埼玉)、長期銀行3行(日本興業、日本長期信用、日本債権信用)、各県に地方銀行、相互銀行、信用金庫etcと夥しい数の金融機関あったけど再編で様変わり。その契機の一つが総会屋問題でもあった。隠然と権力握る相談役、お飾り頭取、役員連は楯突けず改革もままならない図式。大体改革潰され頓挫する幕切れが大半だが、モデル行のほぼ実話に近い題材使っていて満身創痍の銀行が信用回復に向けて動き出す前向き活力に重点置いた応援歌である事が観ていて気持ちいい。後年のTV「半沢直樹」ほどデフォルメしてないのもイイ。検察庁家宅捜査、株主総会の予行演習シーンなどしっかりリサーチされた骨太演出、“ノンバンク編”の金融腐食列島再生も観たくなった。