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ミストのytのレビュー・感想・評価

ミスト(2007年製作の映画)
3.0
スティーブン・キング原作の”ショーシャンクの空に”や”グリーンマイル”を手がけたことでも知られるフランク・ダラボンのSFホラー作品。本作も原作はキング。霧に包まれた街で起こる怪異と極限状態下での人間の秩序を失う姿を不気味に描く。衝撃の内容により鬱、トラウマ、後味の悪いなどと言われる作品でもある。

[あらすじ]
→田舎町に妻子と共に住む男性。激しい嵐の翌日、彼は向こう岸の深い霧に恐れを抱きつつ、息子と共に買い出しへ。するとその霧はやがてスーパーマーケットまで近づき街を覆う。霧の中に見え隠れする”何か”が店内の人々に襲いかかり……。

[レビュー]
・とにかく後味が悪い。というか胸糞が悪い。勿論ラストは衝撃の展開でビックリしたし、ある意味面白いとも思った。だが何より物語で繰り広げられる人々の会話劇が最悪だった。裏を返せば物凄く繊細に集団心理の怖さというか、極限状態に陥った人間の行動を事細かに描けているとも言えるけど。主人公のような行動をとれる人の方が少ないんだろうな。一人一人考えがあの状況でまとまる訳ないし、未知なる恐怖と人間の恐怖の狭間に立つのは苦しかった。

・ラストの展開含め、ストーリーは割と面白かった。会話劇も多いが、集団心理を繊細に描くため飽きることはないし、途中途中で未知なる恐怖が様々襲いかかるので気持ち悪いし怖いで色んな感情が溢れ出た。心理的恐怖と視覚的恐怖をこれだけ織り交ぜながら描き切るとは、流石フランク・ダラボン。

・原作にはデヴィッドとアマンダの性的関係を持つシーンがあるらしいが、盛り込んでないのは正解だと思う。不倫関係以前にこの作品に性描写はいらないと感じたし。途中のシーンだけでも多いと感じたからね。

1番思ったのは、原作者のキングが賞賛してるとはいえ、ダラボンのラストはどうかと思う。内容は伏せるが、名作とも言える様々な作品を手懸けたキングの原作、しかもそのラストを変更するってのはねぇ。どうなのよ。

👉色々思うことは沢山あるけれど、とりあえずもう観たくはないかな。死ぬまでにもう一度観れたらいいかな、くらい。ある意味映画史に残る怪作とも言えるだろう。
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