東雲稲荷

天国と地獄の東雲稲荷のネタバレレビュー・内容・結末

天国と地獄(1963年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

黒澤明監督作品です。
三畳一間の狭いアパートは夏は暑く、冬は寒い。見上げると高台の高級住宅にはナショナルシューズの重役である権藤が幸せそうに暮らしている。
憎悪が積もった医師のインターンは重役の息子の誘拐を計画し、決行する。ところが誘拐したのは重役ではなく、運転手の息子だった。
権藤は身代金3000万円を払うため、会社の経営権を奪うために株式を購入する資金5000万円を使うことを決断。犯人の指示に従い、鉄橋付近で特急こだま号のトイレの窓から現金入りの鞄を投げて無事に子どもは戻ってくる。
しかし、権藤は会社から追い出され、自宅を抵当に株式購入資金を借りていたのでそれらは競売にかけられることになる。
警察が特急から撮った写真やビデオ、子どもの記憶、犯人からの電話の背景に聞こえる電車の音を手がかりに共犯者の自宅を突き止めるが、すでに共犯者の夫婦は高濃度のヘロイン注射で中毒死していた。
犯行に使われた盗難車、子どもの主犯の記憶、鞄をもやしたときに出る特殊な煙の煙などを手掛かりに警察は主犯が病院のインターンであることを突き止める。しかし、ここで逮捕しても懲役15年にしかならず、共犯者の殺害を立証できないため、共犯者の死を隠して主犯が共犯者を殺害するように仕向ける。
主犯は横浜の酒場でヘロインを入手して麻薬常習者の町で効果を確認。そして主犯が共犯者の自宅に来たところで逮捕される。
身代金も主犯が麻薬購入に使った2万円以外は返ってきたが、権藤は会社を追い出され、自宅も競売にかけられる。そして知人の紹介で小さな靴会社での仕事を始める。
なかなか面白い作品でした。
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