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アパッチのItottyのレビュー・感想・評価

アパッチ(1954年製作の映画)
3.5
緊急事態宣言に伴う自宅待機のため、NHK/BSのお昼の映画をたまたまつけたら、見入ってしまいあっという間の90分。
アパッチと聞くと、アメリカ軍の兵器とかそっちのイメージでしたが、本作のアパッチはアメリカ先住民族の1つの名前でした。


19世紀。アパッチ族長のジェロニモ達はアメリカ合衆国に投降する。戦士の一人マサイはあくまで戦いの姿勢を貫いたが、同じく捕らえられ遠い地へ移送されることに。途中、隙を見て脱走したマサイは、白人社会の街並みや白人と共存の道を選んだ別の先住民族に触れながら、故郷に戻ることになるが。。。


<先住民族の逃避行劇という視点がおもしろい>
アパッチ族というのは実在する先住民族で、比較的好戦的だと言うことをしりました。本作の主人公マサイはまさにその象徴のようで、しょっぱなから敵陣に一人で切り込んでいく始末。
ただ、そんなマサイが逃走時に白人の街に逃げ込むところに生まれる違和感が面白くて、まるでタイムスリップして未来にきた映画のよう。主演のバート・ランカスターのゴワゴワした顔もあいまって、この辺りから引き込まれていきました。

<戦いか、共存か。現状維持か、未来への挑戦か>
マサイは白人に対して恨みを持っており、中盤では一部アパッチ族達に対しても敵対心を持つことに。そんな彼が恋人を連れた逃避行の中でどのような選択していくのかが面白いところでした。
先住民族の戦死ということでなっかなか頭も堅いし共感できない行動が続いてしまうのですが、それでも少しずつ訪れる変化がよきでした。

また、ポイントになるモロコシもすごく印象的。
緑の少ない荒野の中でのモロコシは、すさんだ風景と心に希望をくれました。

<余談>
主演のバート・ランカスターは、無愛想な感じがインディアンのイメージにぴったりなだけでなく、屈強な体は1950年代の映像でも惚れ惚れするほど!もし女性だったら、目薬になっていたことは言うまでもありません。
そして、ヒロインをつとめたジーン・ピータース。すごくきれいな方で調べて見たら、なんと実生活ではハワード・ヒューズとご結婚されたこともあったそうな。こんなところでアビエイターとリンクするなんてびっくりでした。
ほとんどこの二人がメインなのですが、当たり前ながらベッドシーンもなければキスシーンもないのに、二人の仲睦まじい感じはほっこり嬉しくもあります。
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