140字プロレス鶴見辰吾ジラ

デイ・アフター・トゥモローの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

3.6
”地球温暖化vsイデオクラシー”

偏差値の低いトッピングを多めにしたディザスタームービーだが、地球温暖化が進行→氷河期を迎えるという新たな雑学ネタを手に入れたようなプロットラインから、夕立が近い雲行きの怪しいワクワク感の継続と、非日常的なディザスタートッピングで十分胃もたれを起こしそうになるし、さらには悪天候と凍結で、異世界的への期待感が付与され、無駄にシリアスがゆえの意識高い系の自己啓発本の請負のようなヴィジュアルカットが滑稽に映る。しかしながらその中で清々しい青空と対比した超低温の放射冷却が炸裂するなど、既存の常識よりも上手な一撃を見せてくれたので嬉しいかぎり。

ついに東京都で40C°に到達したこの7月。地球が温暖化の影響の進む末に氷河期が訪れ、すべての希望を飲み込む地獄への始まりになるのか?と思いながらもCMで流されるもう1つの脅威の片鱗は「Tictok」である。変顔とダンスで笑いを取りにくる安い映像にたしかな見覚えがある。あの有名な「26世紀青年(原題:イデオクラシー)」の劇中に登場する尻がひたすら画面に大写しになる映画のシーンである。このままでは、地球が凍結する前に人類の思考回路がフリーズして快楽を選ぶのではないだろうか?

地球温暖化の果てに氷河期が口を開けて待っているのか?
イデオクラシーに口を開けたまま落ちていくのか?

さあ、人類よ。
明日はどっちだ?