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愛の風景の一人旅のレビュー・感想・評価

愛の風景(1992年製作の映画)
3.0
第45回カンヌ国際映画祭パルムドール。
ビレ・アウグスト監督作。

【ストーリー】
青年ヘンリクは上流階級の娘アンナと出会う。互いの愛を確認した二人だったが、アンナの母は娘の結婚に反対してしまう・・・。

お話に抑揚が無い。そして無駄に長い。
ベルイマンが書いた脚本を忠実に映像化しただけという印象。しかも元々はTVムービーだからか、本作はその総集編という感じだった。突然画面がブツ切りになって次の場面に進んでしまうのも気になる。

致命的だったのが、ヘンリクとアンナが互いに惹かれあう過程が全くと言っていいほど描かれていなかったところ(編集でカットされたのかな?)。出会って間もないのに、いつの間にか結婚を誓い合う関係に発展していたことに強い違和感を覚えた。

唯一良かった点と言えば、アンナの父ヨハン役にマックス・フォン・シドーが扮しているところ。アンナの母親と比べると自己主張をあまりせず、控え目な性格。でもアンナの幸福と将来のことを一番真剣に考えているのは他でもないヨハンなのだ。妻の意見と対立ししてまでも、娘の意志と気持ちを汲み取る寡黙な父ヨハンの姿に泣けてしまう。
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