まーしー

ザ・エージェントのまーしーのレビュー・感想・評価

ザ・エージェント(1996年製作の映画)
4.5
スポーツ選手の契約の代理人(エージェント)を描いた人間ドラマ。

エージェント会社を解雇され、裸一貫で独立したジェリー(トム・クルーズ)。
彼の計画に魅力を感じたシングルマザーのドロシー(レネー・ゼルウィガー)。
ジェリーが将来有望と見込んだアメフト選手ロッド(キューバ・グッディング・Jr.)。
この3人が描く、挫折や恋愛、友情の物語は、見応えのある内容だった。

強気に見える反面、どこか内側に弱さを抱える寂しがり屋のジェリー。
常に誰かの支えが必要だった彼が挫折を味わい、成長していく過程が見どころの1つ。
ドロシーとの恋愛、ロッドとの友情が、彼の成長を後押しする。
特に、デート後のドロシーと玄関先でキスするシーンは、この映画の中でも最も美しいシーンだろう。
また、ドロシーの息子の愛くるしい笑顔が、良いアクセントにもなっている。

爽やかな雰囲気を放つ本作からは、信念を持つことの大切さを学べるだろう。
勝算や打算だけで測ることはできない。好きなものは好き、正しいと思うものは正しいと信じて行動すれば、いつかは実を結ぶかも知れない。
背水の陣に追い込まれたジェリーも、将来に不安を抱えるドロシーも、自分の実力を信じるロッドも、最後まで信念を持って行動していた。その姿勢からは学ぶべきものがある。

若き日のトム・クルーズは格好良く、レニ・ゼルウィガーも美しい。キューバ・グッディング・Jr.もコミカルで良い味を出している。
これからも定期的に鑑賞することだろう。