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名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)のytのレビュー・感想・評価

3.7
シリーズ第14作目。3,8,10作目と出てきた怪盗キッドの普段は見ないコミカルな一面も魅せつつ、バイオテロやハイジャック、お馴染みのミステリーが混ぜ合わさった良作。アクションやラブコメなど山本監督にしては大分攻めていて面白い。個人的にはこの辺りの年代の作品では上位に入る一本。本作も、第34回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞作品。

[あらすじ]
→大富豪の鈴木次郎吉は、自身がライバル視する怪盗キッドに挑戦状を突きつける。その内容は、飛行船内で宝石を盗んでみろ、というもの。次郎吉に招かれたコナンたちは、乗船してキッドを待つが、そこへ謎のテロリスト”赤いシャムネコ”が現れ、飛行船を襲う……。

[レビュー]
・3作目、”世紀末の魔術師”以来のキッド出演作の良作。山本監督に代わって以降、キッド出演作はイマイチ面白いのがなかったが、本作はかなり面白い。キッドの人間味を出しつつ、ギャグを絡めそこにラブコメまで絡めてくる。一本間違えればテレビスペシャルのようになってしまう作品だが、ちゃんと線は超えていない。前作の”漆黒の追跡者”とはガラッと変わった子どもも楽しめる作品だ。

・バイオテロに武装集団のハイジャックと、普段の殺人事件とはまた変わった事件が発生する。いつもとは一味違う内容で面白く、事件も解決してから更に二転三転あるためそう来るか!となる。ラストシーンも長い目で見ると頭に残る作品となったしね。

・1つ難点を言うとしたら、大阪,奈良,愛知……と被害が大きすぎる。あんな飛行船が上空を浮かんでいたらめちゃくちゃ怖いし大問題。その割には犯人の動機がパッとしないため少々消化不足。まぁ子ども向けの映画に色々なん癖付けるのも違うと思うけど。

・上記した通り、山本監督に変更されてからかなり作品について色々言及してきた。勿論作品を観る上で現実性であったり面白さというものは付き物である。ただ、様々な賛否の意見があったからか、どうしても当時数年の作品はシリアス路線に走りがちだった。それこそ”漆黒の追跡者”は良い例である。

だが、本作で内容をギャグやラブコメ多めの攻めたアクション映画に路線変更したことでかなり当たりだった。大人は納得せずとも、子どもがしっかり楽しめる作品になっていたし。長作の山本監督作品はこの作品でラストだが、最後の最後で面白い作品を制作してくれたと思う。

👉個人的にはラストシーンが頭にこびりつくコナン映画ランキングでは堂々の第1位。内容もしっかり面白いので是非観て欲しい。とりあえずキッドかっこよすぎな。
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