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悪魔を見たのkuuのレビュー・感想・評価

悪魔を見た(2010年製作の映画)
4.0
『悪魔を見た』
原題악마를 보았다. - I Saw the Devil.
映倫区分R18+.
製作年2010年。上映時間144分。

韓国の異才、キム・ジウン監督を務め、人間の内なる悪魔を凄惨に描いた韓国産サイコ・サスペンス。
婚約者を殺された男が、血も涙もない卑劣なシリアル・キラーを執拗に追い詰める様子を映し出す。
韓国のメディアレーティング委員会は、暴力的な内容に異議を唱え、劇場公開のために映画を再編集するようキムに要求したそうです。

※今作品には、多くの性的搾取と暴力が描かれてます。
性的暴力を受けたり、辛い体験をされてPTSDなどをお持ちの方、また、バイオレンスそのものを見るのが苦手な人には、この映画は向いていなと思います御注意を。

イ・ビョンホンとチェ・ミンシクが熱演し、息の詰まるような攻防を展開。善悪を超越した人間の執念と、驚がくのラストシーンに背筋が凍る。
ホンマこないな脚本をよう作ったもんやわ。

国家情報院捜査官スヒョン(イ・ビョンホン)の婚約者の死体の一部が発見される事件が発生。
極秘で捜査に乗り出したスヒョンは、真犯人の連続殺人鬼ギョンチョル(チェ・ミンシク)を捕まえ、体の中にマイク付きのGPSチップの入ったカプセルを飲ませ解放する。
そしてギョンチョルが犯行に及ぼうとするたびに現れ、アキレス腱(けん)を切るなどの残虐な制裁を加えていく。。。

今作品は、グロいし、残酷で暴力的を加えることで性的興奮するくそが出る露骨なショックホラーって云っても過言じゃないんちゃうかな。
メチャクチャ徹底的に『リアル』やとは云わないまでも効果的に同じように(おそらくそれ以上に)不穏な空気を漂わせてたし、ダークなユーモア(ユーモアと呼べるかわからないけど)のひねりが効いている作品でした。
社会病質、連続殴打レイプ犯のキョンチョル(『オールドボーイ』で有名なチェ・ミンシクが変態で身の毛がよだつくそを演じてました)の物語。
この怪物は、初めっから、何人もの若い女子を襲い、誘拐し、レイプし、拷問し、バラバラにする。
しかし、彼はそのような嗜好に留まらず、自分に関わるすべての人を殺る覚悟と意思を持っていることは明らかかな。
原動力てか、動機はハッキリとは理解できない。
こないな人間がこの世にいるのかと想像(フィクションやけど)思うと、それだけで汗が噴き出してくる。
冒頭のシーンで死んだ少女の遺体は、少年によって発見され、バラバラにされて不毛の地に撒かれてた。
彼女は地元の警察署長の娘で、スヒョンというスパイの恋人であることが判明。 
犯人の女嫌てのは、拒絶され続けたことに起因してて、それが彼の暴力的な怒りを駆り立ててる。
彼はどんな女子にも満足できず、今では反省することなく世間に怒りをぶつけている。
恋人の運命を知ったスヒョンは仕事を休職し、最愛の人(たまたま子を妊娠していた)の死に対する復讐のため、茨の道を歩むことを選ぶ。
そんために、彼は警備員のコネを利用して、事件の主要容疑者4人を特定、追跡する。。。

最初から最後まで、激しくアクション満載の作品でした。
最終的には、モンスターってか、クを倒すために、モンスターにならなければならない、いや外道にならなきゃならない。
この点では、いままでに無いことはないテーマかな。
でも、内容が不穏なものであることを考えると、全体に漂う微妙なダークユーモアには興味をそそられましたし、それが功を奏しているのかと個人的には思います。
約2時間20分弱という長尺の映画ながら、素晴らしい特殊効果と暴力的な飽和状態により、目をそらすことはできませんでした。
ショックを受け、心を乱され、そしてそんなフィクションを楽しみたいと思っているなら要チェックっす。
kuu

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