JohnConstantine

顔のないスパイのJohnConstantineのレビュー・感想・評価

顔のないスパイ(2011年製作の映画)
3.3
まずはレビューや解説を一切見ずに鑑賞することをオススメします。
ですので以下は見てから読んでください。



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あらすじの通り、20年前に姿を消した伝説のスパイ・カシウスを巡り、元CIAのポール(リチャード・ギア)とFBIのベン(トファー・グレイス)が捜査に乗り出す。

事の起こりは親ロシアのダーデン上院議員が何者かに殺害されるところから始まる。
この犯行がかつて名を馳せたソ連のスパイ・カシウスのものであると睨んだCIAは現役時代にカシウスを追っていたポール・シェファーソンを召集。
そして若手のFBI捜査官ベンは、カシウスについての修士論文を評価され捜査に参加する。

2人で捜査を始め、元ソ連の殺し屋ブルータスを訪ねて刑務所へ。
大きな収穫もなく引きかえにラジオを渡して2人は刑務所を後にする。

ラジオの電池を飲み込んで病院へ搬送されたブルータスは大立回りを演じて逃走するも、殺害されてしまう。

なんと、口封じのために彼を殺したのはポール。カシウスはポールだった。



という序盤から、ポールとベンのコンビでカシウスを追うも、ベンに手を引くよう忠告するポール、しかし諦めないベン。

そんな中、元KGBのヨハンの存在が明らかになり、彼がカシウスであろう見通しで捜査は進んでいく。

その過程において、自らカシウスを演じつつ捜査のためにカシウスを追う格好のポールの、ベンに対する複雑な感情が垣間見える。
自分はカシアスとして手を緩める心づもりはないものの、まだ年若く、愛する妻と幼い子供を持つベンが深入りすることで命を落としてほしくない、そんな老婆心とも愛着とも言えるポールの思いはやや切ないものがある。

しかしながら、やがてベンはポールがカシウスであるとの疑念を持ち、それは確信に変わっていく。
復活したカシウス=ポールの目的は、妻子を殺害したヨハンへの復讐だった。

一方でポールもベンの正体に気づく。
ベンは米国入りするロシアのスパイを手引きする二重スパイだった。

そして大詰め、ピンチのベンを救うためにヨハンからの銃撃を被弾しながらも、最後はカシウスならではの頸を切る方法でヨハンへの復讐を果たすポール。
しかしこの被弾のためにポールも命を落とす。

ベンは真相を伏せたまま、ヨハンがカシウスであることをCIA長官に告げる。

そして長官は去り行くベンをCIAへ勧誘しようと声をかけるが、それに答えることなく彼は家路へ…


というような内容。、
一線を退いた元捜査官が実は彼の宿敵であるはずのスパイであったという種明かしが早々になされ、どうなることかと思われたが、そう退屈することもなく、尺のわりに説明不足感を感じることもなく、雰囲気も含めて楽しめました。

リチャード・ギア、トファー・グレイスの演技が良かったのもあるでしょうが、真相に迫るベンも実は重大な秘密を抱えていたこと、そして重大な秘密を抱えながらも互いに人間としては通じ合うものがあったポールとベンの関係性、そうしたものが良い塩梅で描かれていたように思います。


キャスト先行かと思いきや内容も雰囲気もなかなか良かったです。
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