ヒチ

見えない恐怖のヒチのレビュー・感想・評価

見えない恐怖(1971年製作の映画)
4.0
「見えない」ことで生み出されるサスペンスの数々はもちろん最高のひと言なんだけど、それよりも引っかかるのがラストに映る柵越しの人々の視線。あの無遠慮な視線には、劇中で随所に暗示される主人公が滞在する一家の豊かさとその周囲との不均衡がもたらす暗い欲望を感じてしまう。実は作中で起きる惨劇は1人の愉快犯の犯行であると同時に、不特定多数の人々が抱いていた無意識の願望が結実したものかもしれない。作中で密やかに語られていたもう1つの「見えない恐怖」が露わになる瞬間。
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