YYamada

ヴィレッジのYYamadaのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2004年製作の映画)
3.6
【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 観客の緊張感を煽る
 ○: 超常現象なし

◆作品名:
ヴィレッジ (2004)
◆サスペンスの要素:
・村に伝わる「3つの掟」の真相

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・1897年、米ペンシルバニアの小さな村。村の周囲を取り囲む森には恐ろしい存在がいるため、村人が森に入ることはタブーとされていた。
・だが、村で皮を剥いだ動物の死骸が発見され、誰かがタブーを破ったのではないかという疑惑が持ち上がる…。

〈見処〉
①その「地上の楽園」は、奇妙な
「掟」に縛られていた…
・『ヴィレッジ』は、2004年に製作された
ホラー・サスペンス。監督・脚本は『シックス・センス』のM・ナイト・シャマラン、現代最高の撮影監督ロジャー・ディーキンスが撮影を務める。
・盲目のヒロインを演じたブライス・ダラス・ハワードは、本作が初の主演作品。ホアキン・フェニックス、エイドリアン・ブロディ、ウィリアム・ハート、シガニー・ウィーバーら豪華俳優陣が脇を固め、若かりしジェシー・アイゼンバーグも出演している。

I その森に、入ってはならない。<彼ら>が待っている。
II 不吉な赤い色を封印せよ。<彼ら>を呼び寄せる。
III 警告の鐘に、注意せよ。<彼ら>がやってくる。

・19世紀末、ペンシルヴェニア州のとある小さな村には奇妙な3つの掟が存在。掟を破るとどうなるか誰も知らなかった…平和な村に忍び寄る怪物への恐怖を描いた、シャマラン監督らしい衝撃の結末は、誰も予測出来ない。
・なお本作は、赤色を不吉、黄色を保護色とし、宗教上の戒律を厳しく守るアーミッシュをモデルとしているといわれている。

②シャマラン幻想
・名匠クリストファーノーランと同じ1970年生まれでありながら、既に「過去の人」扱いをされがちなM・ナイト・シャマラン監督。
・シャマランは25歳のときに執筆した『スチュアート・リトル』の脚本で注目を浴び、1999年には脚本・監督を務めた『シックス・センス』では、アカデミー作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートを受け、若くして「現代のヒッチコック」と称賛を受ける。
・続く『アンブレイカブル』(2000)、『サイン』(2002)も興行・批評的にも成功。シャマラン監督の名前を前面に出すだけでヒットが約束されるようなヒットメイカー監督に。
・しかしながら「シャマラン幻想」に綻びを見せるようになったのが、2004年に製作された本作『ヴィレッジ』。その強引な結末は賛否両論の評価となり、続く『レディ・イン・ザ・ウォーター』(2006)では、製作費の回収も出来ず、以降はゴールデンラズベリー賞の常連監督に転落。
・スター監督としてピークにあった時期のシャマラン作品として、本作を鑑賞されたい。

③結び…本作の見処は?
賛否両論が激しい作品ながら、シャマラン作品では一番のお気に入り。
◎: ストーリーのオチがしっかりしており、伏線もしっかり張られた脚本、演出に好感が持てる。「そうきたか」と納得出来る作品は、多くはない。
○: ブライス・ダラス・ハワード、ホアキン・フェニックス、ジェシー・アイゼンバーグらハリウッドのスター俳優たちのブレイク前の若々しい演技にも注目。
▲: 戦慄のホラー映画のようなプロモーションに興味を示した鑑賞者から批判されるのも致し方ない。本作によって、シャマラン批判してもよい風潮に転換したことを記憶している。
YYamada

YYamada