マーくんパパ

戦場よさらばのマーくんパパのレビュー・感想・評価

戦場よさらば(1932年製作の映画)
3.3
第一次大戦中の従軍救護隊ヘンリー(G ・クーパー)と看護婦キャサリン(ヘレン・レイズ)の悲恋物語。クーパーと並び立つ背丈の違いは気になるが、身体横たえた樹上のラブシーンはこの当時の邦画には絶対ない甘美の極地。過去の女遍歴を問いただすキャサリンに誘導されず頑なに君だけだと答え続ける微笑ましいシーンを挟んで、飲み仲間大佐の恋文返送で安否不安に駆られ職務放棄の脱走兵として愛する女の元に向かうヘンリー。ヘミングウェイ原作『武器よさらば』をベースにして軍規違反の銃殺ものを“ロミオとジュリエット”の如きすれ違いメロドラマ仕立てる。元々士気の薄そうなヘンリー、愛の為なら軍務も戦争も二の次は誰しもの本音だから正に題名通り“戦場よさらば”の映画でした。