狂王キシリトールヴィヒ2世

アギーレ/神の怒りの狂王キシリトールヴィヒ2世のレビュー・感想・評価

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)
4.6
本当やっちゃいけないことするの得意だな。まず重装備でぼろいかだにのって急流くだりの時点で割とやっちゃいけない。ちょんぎられた生首がちょっと動くシーンとか普通の映画っぽくて逆に安心する。キンスキーのいっちゃってる顔としぐさ。防具似合いすぎ。完全に役とかキャラクターとかじゃなくがちの自己愛と妄執にとりつかれたなにしでかすかわからないやばいやつの最大級版にしかみえない。物語とはちがって実際の撮影の主導権がキンスキーにわたらなかったのは劇中の部隊とはちがってヘルツォーク側も良識がないからだろうなという想像までさせる。富も名声もエルドラドも幻。幻と消えるとか以前に黄金や征服に対する欲望が理解できないほどに強大すぎて幻をおってる感。キンスキーが一番やばいけど他の人もわけのわからない目のギラギラがあってこわい。帰れるかもわからないジャングルの奥地で裁判とかスペイン王家への宣言とかする微妙に文明残してる感の空虚さ。ジャングルと狂人という最強タッグの持つパワー間違いない。山を行軍する画いくらなんでも良すぎる。