千年女優

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャーの千年女優のレビュー・感想・評価

4.0
強い正義感を持ちながらも病弱な体質で世界大戦の徴兵で不合格となったスティーブ・ロジャース。その精神を買われて超人血清でのスーパーソルジャー化に成功後も大衆受け狙いでピエロ扱いされる彼が、親友バッキーの窮地にナチスをも超えて暴走する、同じ血清の投与を受けたシュミット率いるヒドラ党へ挑む様を描くヒーロー映画です。

ついに『アベンジャー』というキーワードが登場するMCUフェーズ1ラストのヒーロー誕生譚で、『キャプテン・アメリカ』、という原作では戦時中の戦意高揚の為に生み出された思想的な偏りの強い歪なキャラクターを現代的にアップデートして、多様性時代のヒーロー集団のリーダーとして相応しいかを説くために全編が費やされています。

アメリカ・アズ・ナンバーワンの価値観が崩壊したベトナム戦争や冷戦期を冬眠という設定でかわすのは少しズルいですが、正統派でクリーンな男前クリス・エヴァンスの高潔なイメージを強調する物語になっていて、奥手な性格も愛されるもので、それらが功を奏して多くの人に好かれうる、鋼の肉体と精神を持つヒーローを魅せる一作です。
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