ジャイロ

會議は踊る/会議は踊るのジャイロのレビュー・感想・評価

會議は踊る/会議は踊る(1931年製作の映画)
3.7
会議は踊る、されど進まず

てっきり退屈な会議を想像してたらホントに踊ってる😲

DVDを再生すると淀川さんの解説から始まる

淀川長治さんの世界クラシック名画100撰集(98)

淀川さん大絶賛。ドイツ映画が最も良かった頃の映画なんですって。もうドイツ大絶賛なわけです。そのうち気分まで高揚してきたんでしょうね。

『パリの屋根の下』歌い出したーー!!

更には『嘆きの天使』まで歌い出したーーー!!歌詞合ってるのこれ?(笑)

止まらないーーーー!!

誰か止めたげてーーー!!!

お陰様でハードルだだ上がりしながらの開幕です。静かな立ち上がりに展開は読めません。それでも淀川さんがさっき言ってた通りの大騒ぎになります(そりゃそうか)。むき出しの尻にムチ打ち25回という恐ろしい判ケツが下ってしまうのです。

策士メッテルニヒの盗聴疑惑にフフってなりつつも、仰々しいビビコフと、帽子を被った方がいいコラルスキーが出てくる辺りから面白くなっていきます。

花束を受けとる受けとらないの口論からのマーチングバンド、酒場の喧騒からのダッタン人、ウィーンの町の全体を流れるように躍りで繋いでいくその様は、観ているだけでニヤつくほどに楽しい。老若男女が踊り出す、町全体が踊り出すのは、まるで魔法みたいだ。

いわゆるミュージカル映画みたいな所もね、そりゃあ確かにありましたけど、それだけじゃないんです。淀川さんが言ってた「映画のオーケストラ」「映画のシンフォニー」の意味が分かりました。

「ウィーンにワインの夢♪

これぞ天国ウィーンの一夜♪」

酒場のおじさん、ただ者ではないな…

「新しい酒の歌」「ただ一度だけ」
酒場の輪に入りたくてウズウズしてしまいました。シューベルトの「軍隊行進曲」もいいね。

酒場が躍り、町が躍り、やがて会議までもが踊り出す。シンデレラみたいでそうじゃない、ちょっぴりビターなドイツ映画。

~追記~
一人二役なのこれ!?