滝和也

會議は踊る/会議は踊るの滝和也のレビュー・感想・評価

會議は踊る/会議は踊る(1931年製作の映画)
3.8
戦前のドイツで作られた軽やかなミュージカル(オペレッタ)の最高峰

ナポレオンが欧州を席巻後、エルバ島に流刑になり、各国が後始末のためウィーンにて会議を行う。会議を主催する宰相メッテルニヒは主導権を握ろうと暗躍。などと書くとサスペンスのようだが、軽妙なコメディタッチかつ歌が軽やかに入る作品なのでご安心。

街の手袋の売り子リリアン・ハーヴェイはロシア皇帝の行列に花を投げ、捕まる。皇帝は美しい女性と聞き、鞭打ち寸前の彼女を助ける。リリアンはかわいい感じで奔放な女性を演じているのが微笑ましい。彼女は凛々しい皇帝にゾッコンに。2人が酒場で飲むシーンの歌が軽やかだ。またカットバックで入る皇帝の影武者がいる劇場に移るシーンもよい。

また手袋屋から宮殿に馬車でヒロインが向かうシーンがかなり長い1シーン1カットの長回しの移動撮影。これ凄い。馬車上でヒロインが歌い街中が歌い、動く。ただ一度だけの歌詞に合わせて。 

またキャラクターがみなコミカルで楽しめます。メッテルニヒのゲス加減が笑えます。

クラシックでも肩肘張らず見れる映画
この監督は2本しか撮ってないのでそこは残念ですが。
滝和也

滝和也