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ボルケーノのYYamadaのレビュー・感想・評価

ボルケーノ(1997年製作の映画)
3.4
【クリソツ映画】比較鑑賞④

◆本作:
 『ボルケーノ』
◆クリソツな他作 (比較対象)
 『ダンテズ・ピーク』

〈クリソツ・ポイント〉
・1997年に公開
・火山災害をテーマとした
 ディザスター映画

〈本作の見処〉
①大都市災害の脅威
・アメリカ西海岸の大都市ロサンゼルス。頻繁に発生する地震や、地下鉄工事現場で作業員が蒸気による事故死が発生。
・市の危機監理局(Office of Emergenxy Management)局長のマイク・ローク(トミー・リー・ジョーンズ)と地震学者のエイミー・バーンズ(アン・ヘッシュ)は、危機感を抱くが、時すでに遅く、エネルギーを蓄え過ぎた溶岩流は遂にタール池から噴出。
・更に火山弾が降り注ぎ、地獄と化すロス市内。ロークはこの難局に対して、どのように危機対策をしていくのか…
・本作は、雑誌『サイエンティフィック・アメリカン』に掲載されたロサンゼルスの火山活動の危険性を示唆した記事をヒントに脚本化されたもの。ライバル作品『ダンテズ・ピーク』から遅れること2ヶ月、1997年4月にアメリカにて公開された。

②災害時対応の手本
・本作の見処は都市型災害のパニック描写と、その危機対応にある。
・とくにローク局長の咄嗟の判断により、バスを横転させ、上空からヘリで散水するなどして溶岩で堤防を塞き、溶岩流を止める人々の行動が丁寧に描かれている。
・また、終盤には病院に対する溶岩の流入を防ぐために大胆かつ滑稽無垢な手法にて最大の難所を乗り切っている。
・噴火で降り注いだ灰を被ったロサンゼルスの市民が、黒人でも白人でもなく灰色になり「みんな同じ顔」となったシーンは、人種の確執も消え失せた、清々しい気持ちとして本作は締めくられている。

③クリソツ作品と比較すると…
×: 作品規模(制作費)は他作が上回る
 本作:90百万ドル 他作:116百万ドル
×: 世界興行収入も他作が上回る
 本作: 123百万ドル 他作: 178百万ドル
○: トミー・リー・ジョーンズ扮する緊急事態管理局長の人並み外れた冷静な判断は素晴らしい。缶コーヒーの賜物!?
○: 身を挺した地下鉄救出シーンは胸アツ場面に認定。
○:迫りくる大惨事に対してチームと市民が一致して立ち向かう描写はライバル作品よりも優れている。 
○: ロサンゼルス市内に新しい活火山誕生のラストシーンは印象的
▲:今となっては、古くさい特殊効果。
×: 科学考証無視のストーリーライン。火山活動は急に発生せず、沈静化しない。溶岩で瞬時に人体が熔けることもないそうだ。
○×: 2015年にオンラインサイト「Vulture」による「映画史に残るパニック映画」では、両作品ともに第16位タイだったそうだ。
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