たらこパスタ

毎日が夏休みのたらこパスタのレビュー・感想・評価

毎日が夏休み(1994年製作の映画)
5.0
かなり最高だった!!!!!!!!好き!

レンタルビデオ店で毎日が夏休み、なんて最高なタイトルなんだ!?!?と思って借りたら直接的に夏休みの話ではなかったです笑

組織の中で発生する個人の困難を通じて組織というものの息苦しく病的にも思える側面が見えてくる一方で、(もちろん個人が尊重された上で)誰かに必要とされること・運命共同体だからこそ発生する個人の幸せや充足感。そのどちらもが瑞々しいタッチで描かれていると思った!廊下のステップ、最高だ......
(↑他人を自分以外の全ての人間と定義して、前提条件を合わせてともに運営して行く集団全般を組織と呼んでいます)
そして、学校、会社、家庭という主に3つの組織それぞれに関して、その組織を改変することのほか、脱退するという選択肢が肯定されているのが好きだった。案外やり直しが効くという言葉の心強さ....!

主演の佐伯日菜子さんの話し方は力の込め方や勢いが不均一な部分があり、そしてなんだか楽観的な安心感がある声質だなと思い、それが作品と絶妙にマッチしており非常に魅力的でした。

そして佐野史郎さん演じる成雪さんのキャラクターがとても好きだった。非常に言語化が上手で彼の発言には客観性があってその部分が最初の方は狂気の会社人間...!という印象を持ってしまっていましたが、彼の正直で裏表のない言語化と徐々に人間味や合理的なだけでは割り切れない部分が垣間見えてきてどんどん好きになった。
やり直しても付いてくる幸せな過去が現在になって思い出すのが辛いとき、成雪さんみたいに思い出と向き合い共存できたら良いなと思った!

井戸端会議の怖さとかがとてもリアルで良子さんの胃が痛くなるような苦労やわかってほしい気持ちがめちゃくちゃ伝わってきた。そりゃあんな状況で心ここにあるの無理!って思いました

あと説明っぽくなくて自然な会話で起こるセリフが物語を力強く引っ張っている印象がありました!

あとスギナちゃんの衣装が髪型がめちゃくちゃに可愛いです。ちょっとやんちゃめな金子功系(?)みたいな感じで、エンドロールの衣装に、ピンクハウスやmilkなどが名を連ねられていました!
たらこパスタ

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