おさかなはフィッシュ

横浜暗黒街 マシンガンの竜のおさかなはフィッシュのレビュー・感想・評価

3.0
ポップに奇ッ怪な映画。
母親と情婦、どちらも殺された後に暴れ回る幼児性。「おっそいのよアンタは!」と、女たちに尻をパーンと蹴られそう。

アクションシーンも基本的にまだノロいんだけれど、千葉真一だけさすがに別格。あんなに脚の上がるパスポート屋がいますかね……!?



タイトルに横浜と入っていたので鑑賞。そんなに横浜要素はない。たまに知っている風景を見かけて楽しかった。

「事情聴取の最中に心不全で……!」が、せいやの坂田師匠に似ていてダメだった。氷柱を折ってウイスキーに入れるやつ、私もやってみたい……!

予告編のキャプションが一番グッときたかも。
「横浜暗黒街を震撼させた 兇悪無比の母子鮫(おやこざめ)」「悪名二代 墓一つ」、センスが止まらない! 「暴力!復讐!狂気!」「文太とガンと凄絶アクション」、端的でよろしい。



大ファンの方がいるのか、Wikipediaに結構詳しく解説が載っていた。

>「『トラック野郎』の記録的ヒットは、従来の東映イコールやくざとポルノというイメージを破った。ここ十数年、東映の作品に見向きもしなかった家族づれや若い女性客が戻って来た。不況時には明るくカラッとした笑いあり涙ありの娯楽映画がヒットする」、「これまでの任侠、実録路線から、"健全喜劇路線"を敷く」

その第一弾だったらしいが、なぜその流れでマザコンギャング映画ができるのか謎……!

>「映画は多様な芸術のアイノコ。娼婦の腹を借りた私生児なんだ。それを芸術だと錯覚したとき日本映画はダメになった」、「あれで映画は本来の動きまわるという原始的なエネルギーを失った。ぼくはそれを奪還したい」

菅原文太さんのおことば。わあ、いいなあ。語彙がちょっとシェイクスピア。ダーク・レディ。