もめん豆腐

少年は残酷な弓を射るのもめん豆腐のレビュー・感想・評価

少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)
4.0
12年間ずっと観たかった映画。アマプラで配信にならないからU-NEXTに入ってやったぜ。だからどこかを節約するぜ。
この邦題をつけた人は責任を取って日本中の映画ファンに心の中でスライディング土下座をして欲しい。そんな気分にさせられるネタバレA級戦犯。タイトルでネタバレさせてどうするんだよ💢原題がとてもいいのに何やってくれちゃったんだか。
それでも見応えのある映像と内容。観終わってから何人かの考察を見に行ってふむふむそれぞれこんなに受け取り方が違うのねってくらい差がある。いや、それは全く的外れだよっていうママンの自殺説を説いた人は置いといて、子供の有無で違うのかもな〜と考察を考察してみた。
観る前の勝手な予想→母親の望まない妊娠に対しての神からの啓示で子供が懐かない。一瞬たりとも母親に心を開かない。かな〜なんて思ってたら、どちらも見当違いだった。
観た後→この母と息子は実は性質が似てる。キャスティングも1年かけただけあって合ってる。
結局のところ原題の「We Need to Talk About Kevin」なんだと思った。

私たちはケヴィンについて話す必要がある

家族間の問題は表に出しづらいし、日本の場合は特に出さないように出さないようにする「家の恥」を晒すなという言葉さえある。だいぶ前からこの“家”とやらの制度がなくなってきたと思いきや、未だ健在な様子。家事で困ったり子育てで助けて欲しいなんて、どこの家でもあるはず。ましては核家族なんだもの、各家庭同士やサービスを利用して困難を乗り越えたほうが精神衛生上いいはず。多分どこの家庭も大なり小なり“何か”あるんだから、困ったら「困ってま〜す🙋」と助けを求めたほうがいい。エヴァも適時相談には行っていた様子。そこで得られる解答はエヴァが求めていたそれとは違うことで、さらに追い詰められたと思われる。最愛の子供から謂われのない敵意を向けられ続ける母親。想像だけできっつい。そこで、

ケヴィンについて話す必要があった

んだと思った。それと重要な“事柄”の後も、もちろんね。
それに、この家庭も父親が機能していない。強権を発するか、ただのYES-MANになるかのどちらかになってしまいがちなのが機能不全な父親にありがちなパターン。もうね、観ているだけで子供をもつって怖いって思ったの。工事現場で佇んでいたあの気持ちを想像するだけで、胃がぎゅーっとしたもの。
そして今後も何度か観て、その時々でどう感じるかを味わいたい、そんな映画。
最後にこんなこと言っちゃ元も子もないのだけど、結婚してないのなら避妊はしっかり!!!
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