安堵霊タラコフスキー

サンタ・バルバラの誓いの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

サンタ・バルバラの誓い(1962年製作の映画)
3.3
カンヌでパルムドールを受賞した、数少ない南米の映画。(おそらくこれと黒いオルフェくらい)

冒頭の十字架を担いだ男とその連れが教会まで精々足を運ぶシーンは超現実性があって気に入ったけど、そこから夫婦含めた色んな人物の会話で殆ど構成されていたのが残念だった。

しかし最初は夜中故に伽藍としていた教会前の大階段がどんどん賑わっていく様子は面白く、クライマックスの喧騒ぶりも中々良かった。

メタ的に考えると大きな十字架を持った男がいたらそう使うのが妥当といった展開に結局落ち着くのは予定調和感があったが、群衆や大階段を有効に使った演出は見事だったので有終の美は飾れていたと思う。

結局のところ最初と最後だけが良い映画という非常に高低差の激しい印象で、途中退屈しても終わりが良ければ悪いものでもなかったと思ってしまうという典型のようだった。