1960年代 香港。忘れられない人がいる作家のチャウ・モウワンはとあるホテルに滞在していた。ホテルのオーナーの娘 ジンウェンは日本人のタクと恋に落ちていたが、父親に反対されていた。そんな2人にインスパイアされたチャウは、失われた記憶を取り戻せるという場所“2046”を目指して列車に乗る というSF小説｢2046｣を執筆し始める。
｢欲望の翼｣｢花様年華｣の精神的続編にあたる作品だそうですが、｢花様年華｣は観たけど、｢欲望の翼｣は未鑑賞です。
ウォン・カーウァイの作品は雰囲気はめちゃくちゃ好きなんですが、自分は感受性皆無なので、理解できない点が多々ありました。中でも今作は｢よくわからん｣ってなることが少々多かったような気がします。
雰囲気は相変わらず抜群で、スタイリッシュな映像、オペラ調の音楽が芸術性を高めているような気がします。
キャスト陣の魅力も抜群です。脂の乗ってきたトニー・レオン、日本からキムタク。口ヒゲを携えた2人の色気が爆発していました。コン・リー、カリーナ・ラウ、チャン・ツィイー、フェイ・ウォン、女優陣もみんなキレイで、その繊細な演技も相まって、こちらも美しさが爆発しておりました。
決して変わらないこと、もうどうしようもないこと って分かっていても忘れられないのが人間の性。そしてその代わりを求めてしまう。色んなヒロインが登場しますが、チャウがどれだけチャン夫人に執着してしまっているかが分かります。ジンウェンとタクをモデルに｢2046｣を書き始めますが、結局は自分に置き換えていきます。誰かを好きになっても、それは他の誰かを重ねているだけかもしれない。｢恋愛はタイミング｣、確かにそうだなぁと思いました。
相変わらず雰囲気は魅力的で惹き込まれるものはありましたが、今まで観てきたウォン・カーウァイ作品の中でも個人的には、中々難解な方だったので、この作品を存分に楽しめたか と言われると自信を持って頷けはしないです。
