じゅ

孤高のじゅのレビュー・感想・評価

孤高(1974年製作の映画)
3.7
フィリップ・ガレル監督が、大好きなジーン・セバーグとニコをただひたすら映しまくった1作とのことで、本作が直接提示する内容はそれ以上でもそれ以下でもないと思っても間違いではないか。MUBIで紹介されていた通り、確かにポートレートのよう。

ガレルは自ら本作を"a flim made out of the outtakes of a film that never existed"と表現したそう。
その言葉の真意の程は俺が知る由もないんだろうけど、映画のアウトテイクという位置付けがこの"ポートレート"の中に感情や過去とか未来、ストーリーとかイベントの存在を示唆したのかなあ。

平穏な気持ちとか喜びとか、畏怖とか絶望的な衝動とか、感情は時に何とも形容しようのないぼんやりした姿を伴いながら確かに存在する。それらを誘発する何らかのイベントに関する記憶も過去に渡って複雑に絡み合いながら存在している。でもそれらに実は意味は無くて、あるいはそれぞれ美しさの一形態でしかなくて、いずれにせよどれも一様。
乱暴に言ってしまえば、推しの喜んでる顔も苦しんでる顔も全部萌えるみたいなことだろうか。
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