千年女優

ビッグ・フィッシュの千年女優のレビュー・感想・評価

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
5.0
川に住む巨大な魚を釣り上げた話をはじめとする父のほら話にうんざりする息子で、妻と結婚した現在では親元を離れて暮らすウィル・ブルーム。父が病床に伏したとの連絡を受けて身重の妻と共に実家へ訪れた彼が、様々な奇想天外なエピソードが繰り広げられる父の生い立ちを聞きながらその死を見守る様を描いたファンタジードラマです。

ディズニー独立後に実写にアニメと幅広い分野でユニークな作風を発揮するティム・バートンがダニエル・ウォレスのベストセラーをジョン・オーガストの脚色で映画化した作品で、ユアン・マクレーが二役を演じる物語が評価されて全世界で1.2億ドルの興行収入を記録し、同じコンビでの次作『チャーリーとチョコレート工場』に繋げました。

息子の回想と愚痴から始まる立ち上がりこそゆったりしていますが、ひとたび父の回想がはじまるとバートンのほろ苦くも甘いスタイルが遺憾なく発揮されて『チャーリーとチョコレート工場』にも通じる父子の和解の物語で心を温めます。夢みたいな嘘が冴えない現実を塗り替えていくラストは圧巻で、物語のあるべきを綴っている一作です。
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