みおこし

暴力教室のみおこしのレビュー・感想・評価

暴力教室(1955年製作の映画)
3.5
シドニー・ポワチエが逝去。彼無くしてはきっと今の映画界は全く違ったものになっていたと思うし、ウィル・スミスやデンゼル・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソンなど、多くの大スターが生まれていなかったかもしれません。その功績を思うと、胸がいっぱいになります…。そんな彼の初期の出演作。

ニューヨークにある問題児ばかりの高校に赴任した教師リチャードは、中でも特に不良少年が集まったクラスを担任することになる。リンチに遭ったり、生徒たちから時に嫌がらせを受けながらもクラスをまとめようと奮闘するが…。

”ロックンロール”という音楽ジャンルの基礎を作った、ビル・ヘイリー・ヒズ・コメッツによる主題歌「ロック・アラウンド・ザ・クロック」から始まる軽快なオープニングとは裏腹に、かなりの問題児だらけのクラスでびっくり。女の先生をレイプしようとするシーンまであったりと、当時としてはかなり衝撃的なテーマを描いた1本だったことがよくわかります。
よくある熱血教師ものをイメージしていたのですが、主人公のリチャードを演じたグレン・フォードの抑えた演技が逆に印象的で、多くを語らずとも何とか生徒たちを更正させようと試行錯誤する姿が、よくいる実直で控えめな先生像そのもの。
生徒を演じる俳優さんもクセのある名優ばかりで、前述のシドニー・ポワチエはクラスのキーパーソンを演じ、さらに若き日のヴィック・モローが超ワルな生徒を熱演しています。
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