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『わかれ道』に投稿された感想・評価

リコ

リコの感想・評価

3.0
『招かれざる客』に先駆けて異人種間結婚を扱い、その先にある不条理な悲劇を描いた作品。
主演のバーバラ・バリーがカンヌ女優賞をとっているが、彼女といえば『ヤングゼネレーション』『プライベート・ベンジャミン』といったコメディでのほんわかしたお母さんの役しか知らなくて、若い頃の主演作ということで見てみた。

ヒロインのジュリーは一人娘エレンを育てるシングルマザー。元はジョーという夫がいたのだが、彼は南米で一旗あげるために旅だって以来、音信不通となっていた。生活費もままならないためジュリーは離婚手続きをとり、娘を連れて引っ越した。
オハイオに落ちついた彼女は、勤め先でフランクという黒人青年と出会う。寡黙で優しい彼にジュリーは心ひかれ、二人は恋におちる。フランクの両親や、友人夫妻の冷ややかな反応に悩みつつも、二人は結婚。ジュリーはエレンを連れて、義両親の家に住むことになった。
最初はギクシャクしていた家庭も、子供(エレンと、ジュリーとフランクの間に生まれた赤ん坊)が媒介となり、やがて温かさと絆が生まれるが、そこに失踪していたジュリーの元夫ジョーがやって来る。彼女が黒人と再婚したことに愕然とし、元夫はエレンの親権を主張するのだが…。


60年代当時のアメリカで、白人と黒人が結婚する時の困難さは、『ラビング』などに描かれているように制度的困難に加えて、その下地にある差別と偏見(時に暴力)をくぐり抜けなければいけなかった。
この映画でも、ジュリーとフランクが夜道を歩いているだけで警官に咎められ、娼婦と客扱いされたり、それまで仲良く付き合っていた友人夫妻がいきなり交流を絶ったりといった、今ならあからさまな人種差別描写がある。
それでも「二人が愛し合ってれば大丈夫」とフランクと絆を確かにするジュリーだったが、元夫の出現によりかわいい娘の親権を奪われそうになる。いくら血縁とはいえ流れ者で精神的不安定な実父よりも、ちゃんとした家に住み、すっかりなついた義理の祖父母もいる継父の方が子供の養育には向いていることは明白なのだが、それよりも何よりも肌の色が優先されるのだ。
そのことはフランクの両親も分かっていて、彼に妻と子供を連れてオハイオから引っ越すように諭す。フランクの両親の時代は、いくら理不尽な扱いを受けても黒人は頭を低くしていなければならなかった(それは現代でもある程度、そうだろう)。それに対してフランクはあくまでも留まって、裁判で戦うことを決める。友人の弁護士(白人)に相談する場面があるが、その弁護士は最初は「こんな裁判は楽勝だよ~。」と観ているこちらの肩透かしのような台詞を吐くのだが、フランクの妻が白人、裁判で戦うのも白人と知ったとたん、「ムリムリムリ!どうぞお引き取りください!」と急変する。もはやブラックユーモアさえ感じる場面なのだが、それは2021年の視点から観ているからであって、当時なら当たり前の反応だったんだろう。

終盤、裁判所の判事がエレンの通う学校を訪ねてくる場面がある。家庭のことについて、肌の色が違う弟について聞いてくる判事に対して、屈託なく答えるエレン。大人たちの状況をよそに、子供たちは無邪気に、黒人も白人も一緒に校庭で遊んでいる。『ミシシッピーバーニング』の"憎しみという感情は教わるもの"という台詞を思い出した。

主演のバーバラ・バリーは、小柄な見た目ながら、芯の強さと、それでも小枝のように折れてしまいそうな繊細さのあるヒロインを熱演。チャレンジングな題材ということを差し引いても、納得の女優賞だ。
ラリー・ピアースの演出は手堅いものの、しかしというべきか、やはりというべきか、フランクとジュリーの恋愛描写はかなり控えめで薄味。キスシーンも1回だけ(それも引きの画)なのが、当時の限界を感じさせる。なので「え、もう付き合ってんの?もう結婚すんの?」と戸惑うこともしばしばだった。

原題の『One potato, Two potato 』とはアメリカでは古くからある子供の遊びで、子供たちが輪になってこぶしをポンポン叩きながら遊ぶらしい。(スミマセンあまり詳しくない)
One potato, two potato, three potato...と続けていき、seven potatoの人が叩かれないようにこぶしを引く遊びで、逃げるのが早ければ腰抜けだし、遅ければのろま。叩く側も、強すぎると顰蹙を買うし、弱すぎると軟弱に見られる。他愛ない遊びのはずなのに、お互いにお互いの顔色を伺い、弱さを悟られまいとする、って何処かの社会のようではないか。