肉鹿

赤ひげの肉鹿のレビュー・感想・評価

赤ひげ(1965年製作の映画)
4.2
江戸。誰もが無料で受診できる養生所を舞台にエリート若手医師とケチで赤ひげがトレードマークの所長を中心に市井の人々を救う姿を描く黒澤明監督作品。

完璧に近いヒューマンドラマ👏

徐々に信頼関係が出来上がっていく師弟の物語としてもおもしろいけど、やっぱり市井の人たちの口から語られるエピソードの壮絶さが1番の見どころ。

山崎努さん筆頭に、常軌を逸した顔つきと迫真の語り口で情景がまざまざと浮かび上がり、その場に居合わせてしまったかのような体験はなかなか味わえるものじゃない😭

そのなかでも女郎部屋に拾われた少女を演じた二木てるみさんが最も印象深く、最初に命じられた拭き掃除をやり続けてしまう描写が好き。
きっとあれは「自分の仕事をしてる」と自分にも周りにも深く刻ませるための防衛手段。

そんなひとつひとつの意味を紐解いていくだけでも考えさせられる脚本の力に、こだわりにこだわったというセットや衣装は4Kカラーで観てみたかった作品。

あー、でもカラーだと実際にヒゲを赤く染めてしまったという三船敏郎さんの役者魂全開の姿にちょっと笑いそうだから白黒がちょうどいいかも😂
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