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小説家を見つけたらのGINのレビュー・感想・評価

小説家を見つけたら(2000年製作の映画)
4.0
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のガス・ヴァン・サント監督が、伝説的な天才作家と文才のある黒人少年の心の交流を描いたヒューマンドラマ。

2000年制作。
舞台は、ニューヨーク・ブロンクス。
バスケットボールのプロ選手を目指す高校生ジャマールは、文章を書く趣味があり、隠れた文才があった。
ある日、バスケ仲間にそそのかされてバスケットコートの向かいに住む謎の老人の部屋に忍び込むが、そこでその家の住人フォレスターに出くわし、驚いて自分のリュックを置き忘れていってしまう―。

冒頭で、三島由紀夫の翻訳本が主人公の部屋に並んで置いてあったので、ちょっと嬉しかった😊

不法侵入した若者が置き忘れたリュックを警察に通報せずに、リュックの中にあった文章を添削して返すなんて面白い爺さんだ。

処女作一作だけを残して文壇から消え、世間と隔絶した偏屈な作家と、スポーツ万能で文才豊かな黒人少年。
ふとしたことをきっかけに交流を深めていく2人。
少年に文学の才能を見出したフォレスターは彼の導き手となると同時に、自らも心閉ざしてきた人生に向き合うことになる。
終盤、フォレスターがあんなに嫌がっていた外に出て、退学の窮地に立たされたジャマールに助け船をよこすシーンは感動的でした。
物語のラストも…、フォレスターからジャマールへの粋な計らいに思わずジーンときました。

俳優さんでは…
天才作家フォレスターを演じたショーン・コネリーの存在感と円熟味あふれる演技が素晴らしかった。
弁護士役で出演したマット・デイモンの登場には思わず笑っちゃった😁
きっと『グッド・ウィル・ハンティング』繋がりで出演したんだろうね。

黒人少年とその才能を導く作家の温かい交流を描いた感動作。
素晴らしい作品でした😊
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