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腑抜けども、悲しみの愛を見せろのmylifeのレビュー・感想・評価

4.2
これまた懐かしいが「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を再鑑賞してみた。吉田大八監督の作品。過去の監督作品は何を観ていたのかな。少し振り返ってみよう。

まずは本作と「パーマネント野ばら」「桐島、部活やめるってよ」「紙の月」「騙し絵の牙」かな。ぶっちゃけ、感想を述べる前やけど本作が一番好みだと判明した。

あれれ、こんなに面白かったっけ。前に一度観たトキは、ここまで引き寄せられた覚えは無かったんやけど、とにかくめっちゃ引き込まれてしまう。

主演は佐藤江梨子。女優志望の田舎育ち。サトエリと永瀬正敏が共演していたのは覚えていた。それ以外は、さほど記憶には残っていなかったけど永作博美も出てたんやね。

オープニングがまず凄い。コレも忘れてたけど。両親の葬式後に兄弟が揃うトコロから物語が動き出す。つまり、サトエリが東京から実家に帰ってくるのが問題の始まりなんやろね。

キーワードは何だろう。

やはり『家族』かな。

『約束』と言うワードも引っ掛かる。家族の問題と…他人が口出しするのを拒絶しているけど、永作博美もどえらいトコロに嫁いだものだ。みんな、ちょっと変。普通の田舎にある風景だと思えるが違和感だけがつきまとう。

兄の永瀬正敏も少し変。永作博美に対してものすごく厳しい。それには理由があるんやけど…葬式の時に突き飛ばされ、めっちゃ回転していたのが凄まじ過ぎた。ざるそばのくだりもね。そんな、永作博美も少し変だけど。

妹の佐津川愛美のエピソードが本作の評価を底上げしている感じ。とにかく、ラストに迫るほど畳み掛けてくるのが、すこぶる良い。

とある家族にスポットを当てた物語やけど過去のしがらみが、ほどよく絡み合った作品なのだ。世界が終わる夜に。
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