ヤマト

ペパーミント・キャンディーのヤマトのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【 未来を覗き、過去を辿る 】
 走馬灯の如く、うしろ向きに走る作品。
 ヨンホ(ソル・ギョング)は、未来が見えたのだろう。最後の河原で、「懐かしい」と漏らしていたのが印象的だ。
 あの河原から始まり、あの河原で終わった。あの河原から終わって、あの河原から始まったともいえる。どちらのヨンホも、目に涙を浮かべていた。悲しきかな、これは嬉し涙ではないことだけは確かだ。もちろん、これから歩むであろう辛い未来と、歩んできた辛かった過去に対しての涙である。
 視点を変えてみる。では、始まりの河原と終わりの河原とではどちらが幸せだったのだろう。もちろん、始まりだ。愛するスニム(ムン・ソリ)がいたからだ。同じ場所だけど、同じ涙だけど、愛する人が隣にいるというだけで幸せな理由になるはずだ。否、未来を覗いて辛酸を“なめた”分、怖い線路を走らない人生を送ることができるはず。もしかしたらラストシーンは、愛する人から貰ったペパーミントキャンディを“なめて”、幸せな線路を走ろうと決意した表情だったのかもしれない。
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