この作品のテーマは見かけは少女の自立だが、裏に魔女の存在意義が人間の技術革新に呑み込まれる中でそれでも研鑽を続けて来た魔女達のプライドの在り方が根底に隠れてる。
キキはこのまま技術が高まって行くと魔女が要らない存在になる事に気づいた後に、それでも飛行船(運び屋キキの最大最強の競合他社)の人身事故へ助けに向かうのが1番アツい。
序盤、キキの母がラジオ持って行く許可を下す”間”がこの作品全体のテーマにそのまま効いていく。
序盤のキキの母がラジオを持って行く許可を下すシーンと
飛行船を観に行くトンボに嫌気が刺し、1人帰宅してラジオを切るシーンとの”間と構図”のシンクロ。
そう考えると、序盤の先輩魔女がラジオに嫌気を示してた理由も分かる。
鬱蒼とした森にカラス達を従えて一人で謎に暮らしてるという全編通して1番イメージ通りの”魔女”をしてるのがウルスラ。
宮崎駿は魔女修行=絵描き修業のメタファーとして描いてる。
そうなればアーヤと魔女も違う見方が出来そう。
アーヤで最後に母親が帰ってきたのも引退しがちな父(駿)の帰還ってことか?
それでアーヤの次作が”君どう”。
なんで家の前の木に鈴がついてんだろ?
もしかしてクリスマスツリーの飾りの鈴と同じ意味か。魔除けか。
トンボの祖母は魔女ではないっぽい。
ニシンとカボチャの包み焼きは美味いのかな。
スランプに陥ったキキへのウルスラのアドバイスはそのまま駿からのアドバイスだと受け取って良さそう。
「黒は女を美しく魅せるんだから」
飛行船に宙ぶらりんになったトンボを助けに向かうキキがスーパーヒーローに見えて涙が出る。