じろちぃ

西部戦線異状なしのじろちぃのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(1930年製作の映画)
4.0
ドイツの小説家が書いたドイツ兵のストーリーを、なぜか敵側のアメリカが反戦映画として英語で製作。アメリカは出てこない。そうなると反戦映画なんだけど、「ドイツ、かわいそ!」という煽りにも見えるんだけど…考えすぎなんですかね。

そんな斜めな見方は横に置くと
とてもわかりやすい映画。
無責任な年寄り、お調子者の若者、親の嘆き、友情、直視したくない現実、死への恐怖、非常時に顕になる人間性、気づき。
戦闘シーンも飢えに苦しむシーンも軽い描写なので見やすい。これが良いか悪いかは別として。

そして1930年の映画で既にこんな表現ができていたのかと驚くこと多々あり。
女の子のポスターをうっとり眺める若者を鏡を使って見せたり、音楽をいきなり切って命が終わったことを表現したり。
ラストシーンは余計な言葉を排除して観客に戦争の虚しさを見せる。
たまに古い映画を観ると発見があるな。

ただやはり、最初に書いたところに戻っちゃうんだよな。なんでこれを、アメリカが英語で作ったんだろう。

最近、ドイツでもリメイクされたらしいので機会があったら見てみたい。日本で見られるのかなー
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