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ポリス・ストーリー3のやむちゃのレビュー・感想・評価

ポリス・ストーリー3(1992年製作の映画)
3.9
備忘録
1992.12に鑑賞。

ジャッキー・チェンの人気シリーズ第3作。
監督はスタンリー・トン(今作が初監督作品)。

東南アジアの麻薬王逮捕のため、香港警察のチェン・カークイ(ジャッキー)と中国の刑事ヤン(ミシェール・キング 現ミシェール・ヨー)が潜入捜査をするお話。

当時は1997年を控えて、返還を意識した作品(彼女はシークレットエージェント等)が増えていた。今作もその流れで中国との共同捜査を敷く展開になっている。

スタントマン出身のスタンリー・トン監督作ということもあって、デス・ウィッシュ・アクションのオンパレード。
特に結婚で一時引退していたミシェール・キングは、復帰作ということあって力の入り方が凄い(母国マレーシアが舞台なのも大きいかも)。
ジャッキーを凌駕するようなアクションを数々こなしている(噂では、ジャッキーから「もう少し彼女の活躍を加減してくれ」と泣きが入ったとも言われている)。
もちろんジャッキーも、凄いアクションで対抗(?)しており、相乗効果で、とんでもないレベルのアクションが続く。

過去2作と比べて、アクションの比重が高く、コメディ要素は少なめ。
また舞台は中国大陸とマレーシアが大半で、香港のシーンが少ない。
こうしたことも相まって、シリーズと言ってもややカラーが違った仕上がりになっている。ロケの影響もあってスケールもでかい。

アクションの合間に、シリーズを通じてジャッキーの彼女メイ役のマギー・チャンが出るとホッとするが、このメイの行動が、またまた危機を呼び、アクションに繋がるという…。
今やすっかり名女優のマギー・チャンだが、このシリーズでは一貫してコメディエンヌ的な立場&ジャッキーを危険に晒す役回りを演じている。

ちなみに、香港映画は長らく同時録音ができずにアフレコで、ジャッキーの声も別人が吹き替えていたが、今作からジャッキー自身の声になった。

今作ラストのNGシーンを初めて観た時、「たかが映画」のために命を張るジャッキーとミシェール・キングの姿に胸が熱くなり、不覚にも泣きそうになった。
一時期翳りが見えたかと思われたジャッキーが、再び輝き出した作品。
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