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ポセイドンのYYamadaのレビュー・感想・評価

ポセイドン(2006年製作の映画)
3.2
オリジナルを凌駕する作品は!?
【リメイク映画のススメ】

◆本作 (リメイク作品)
ポセイドン (2006)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・主演: カート・ラッセル
ジョシュ・ルーカス
リチャード・ドレイファス
・監督: ウォルフガング・ペーターゼン
・製作費: $160,000,000
・興行収入: $181,674,817

◆オリジナル作品 (リメイク元)
ポセイドン・アドベンチャー (1972)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・主演: ジーン・ハックマン
    アーネスト・ボーグナイン
・監督: ロナルド・ニーム
・製作費: $12,000,000
・興行収入: $84,563,118

〈リメイク作品のポイント〉
・最新の特殊視覚効果により、
 緊迫感溢れる映像を実現。

〈見処〉
①パニック映画の巨匠、
 パニック映画の金字塔をリメイク
・『ポセイドン』は、2006年に製作されたパニック映画。
・本作の舞台は大晦日の夜、豪華客船「ポセイドン号」の船上。4000人を超える多くの客を乗せ、盛大なパーティーが行われていたが、新年を迎えた直後に巨大津波が直撃し、ポセイドン号は転覆。一瞬のうちに4000人の乗客の多くが命を失う。
・天地逆転したボール・ルームに残る数百名の生存者たちに対して、船長は救助がこの場に止まるよう命じるが、プロのギャンブラー、ディラン(ジョシュ・ルーカス)は、自らの直感を信じ、脱出を企てる。また、元消防士で前NY市長のロバート(カート・ラッセル)も、娘を捜すため、ディランに協力。さらに、シングルマザーのマギー、彼女の息子のコナー、自殺志願の老人ネルソン(リチャード・ドレイファス)らが加わった計10名の乗客による引き返すことの出来ない極限の脱出劇が始まった…(Wikipediaより抜粋)。
・本作は、パニック映画というジャンルを確立した金字塔的名作『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)を、『Uボート』『パーフェクト・ストーム』など大作海洋映画を手がけてきたパニック映画の巨匠ウォルフガング・ペーターゼン監督がリメイクした、スペクタクル超大作。
・100億円以上の製作費を投下した本作であるが、「オリジナル作品から人間ドラマを大きく省いた」と酷評され、第27回ゴールデンラズベリー賞の最低リメイク賞にもノミネートされるなど、リメイク作品の失敗例として広く認知された作品でもある。

③結び…本作の見処は?
最悪の評判の本作であるが、エメリッヒ監督のパニック映画と同類のイベント作品として見れば、そこそこ楽しめる。
○: ダクトを這った脱出など、閉所と窒息に恐怖感を覚える鑑賞者には、手に汗を握るパニック描写が次々に展開される。
○: 公開当時最先端のCG映像により、オリジナル作品では表現不可能だった、ポセイドン号の全容が見ることが出来る。
×: オリジナル作品の長所であった自己犠牲精神は皆無。自分のことしか考えていない登場人物に感情移入出来ない。

〈リメイク作品の判定〉オリジナル ○
演出    : オリジナル ○
配役    : オリジナル ○
特殊効果  : リメイク ○
ストーリー : オリジナル ○

「思ったより良かった」リメイク作品ながら、作品質は、オリジナルの完勝。パニック場面と特殊効果を見たい鑑賞者には、本作よりも9年前に製作された『タイタニック』(1997)でも、事が足りる。
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