カトキチ

混血児リカのカトキチのレビュー・感想・評価

混血児リカ(1972年製作の映画)
5.0
冒頭。ある女が毒を飲み、苦しみながら死産する。彼女の友人とおぼしき主人公のリカは、その死産した赤ん坊をカゴに入れて、妊娠させたであろうヤクザに渡し(さすがにその姿は映してない)、それを見たヤクザはゲロを吐くというところから映画はスタートする……

一事が万事この調子だが、超大傑作。天才・中平康監督で脚本はなんと新藤兼人。ジャパニーズエクスプロイテーションとして極北。

血は噴き出すわ、おっぱい出まくるわ、セックスシーンは多いわ、キャットファイトがあるわ、アメリカ人が日本映画に求める要素がすべて詰め込まれている。だからこそ北米盤が出てるんだと思うが、いかんせん差別用語が連発されるわ、ショッキングな展開だわで日本ではソフト化はおろか、テレビ放送ですら絶対不可能だろう。

ジャンプカットを使ったり、挿入の瞬間にソフトフォーカスになったり、女体を拭くシーンが長回しだったり妙な演出が光るが、基本的にはプログラムピクチャーの枠を守っている。ラス・メイヤーとか好きな人におすすめ。
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