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美女ありきのmichiのレビュー・感想・評価

美女ありき(1940年製作の映画)
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エマの聡明で計算高い感じ、それでいて空気を読まず浮き足立ったりするところが、ヴィヴィアン・リー全開!本当に綺麗で可愛らしいですね。
ネルソン提督のローレンス・オリヴィエとはやはり親和性が高いんだなと思うところが多く、世紀を跨ぐお別れのシーンが素敵でした。

そのシーンではまともだったネルソンが、次に再開した時は暴走気味でエマの方が現実を見ていたり、すれ違いがあって一筋縄にいかないのがリアルで良かった。
無知で品のないお母さんや、なぜネルソンが結婚したのか興味をそそるような冷徹さをむき出しにするネルソン夫人もよいスパイスでした。
しかし、なんだかんだでエマを理解して早々に負けを受け入れたハミルトン大使が結構好きだったな。最後がかわいそう。

原題の”That Hamilton woman”はネルソンの義理の息子が母親にハミルトン夫人の存在をチクる手紙に出てきた。そこではちょっと軽蔑した言い回しだし、後年のエマが別人の話をするような様子にもはまる感じがして、変な邦題が残念。

それにしても“For he’s a jolly good fellow”ってほんっといろんな場面で歌われるのね。「蛍の光」と同じくらいあちこちに登場している気がする。映画でしか見たことないけれど、陽気で楽しいから現実世界でも歌う場面に遭遇してみたいものです。

テーマ音楽は、映画バージョンだと何とも思わなかったけれど、ミクロス・ローザがコンサートピースにして録ったのを聴くとあまりに美しい旋律で鳥肌が立ちました。
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