千年女優

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人の千年女優のレビュー・感想・評価

4.0
夏休みの帰省中、亡き母を罵る親戚に魔法を使って行く宛をなくしたハリー・ポッター。ホグワーツへの道中で両親をヴォルデモートに売ったとするシリウス・ブラックの魔法牢獄アズカバンからの脱獄を知った彼が、新学期で再会したロンとハーマイオニーと共に身の危険を感じながら両親の死の真相に迫る様を描いたファンタジー映画です。

二作連続の世界的ヒットで人気フランチャイズの立場を確立したシリーズ第三弾で、降板したクリス・コロンバスの後釜にデル・トロやシャマランらの名前が挙がる中でアルフォンソ・キュアロンが座り、ダンブルドア役のリチャード・ハリスが亡くなる不幸に見舞われながらも代わったマイケル・ガンボンの好演もあって勢いを持続しました。

少年たちが大人の陰謀にいよいよ本格的に踏み込むダークな物語に適任のキュアロンが見事に力を発揮していて、日進月歩の映像技術の恩恵も受けて目眩くファンタジー世界を楽しめます。次作から物語の連続性が高くなる事もあって一本の映画としての完成度はシリーズ中随一。魔法のご都合主義を素晴らしい映像演出で説き伏せる一作です。
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