masahitotenma

狩人の夜のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

狩人の夜(1955年製作の映画)
4.0
デイヴィス・グラブの小説が原作。
俳優のチャールズ・ロートンの唯一の監督作で、サスペンス映画の傑作。
アメリカでヒットしなかったため、日本では劇場公開されなかったが、カイエ・デュ・シネマで評価された。
原題:The Night of the Hunter (1955)

家族のために強盗殺人を犯した男が、幼い息子に盗んだ1万ドルの隠し場所を誰にも話さず命懸けで妹を守るよう伝え、死刑になる。
この金を狙い、自らを伝道師と名乗る偏狭的な連続殺人犯(ロバート・ミッチャム)が、家族に迫る…。

~「偽預言者に気をつけよ。幼子をお救いください。」
メルヘンのように始まり、川を下るシーンなどのモノクロ映像が美しい。
ロバート・ミッチャムは、映画史上、まれに見る精神異常者を演じ、後に「恐怖の岬」に起用される。
子どもの母親役のシェリー・ウィンタースは「女はみんな愚かな生き物。甘い言葉にうっとり。結果は見えているのに」を代表して、適役。
そして、サイレント時代のグリフィス監督のミューズ・ リリアン・ギッシュが、キリスト教的愛、正義の象徴として後半登場し、素晴らしく魅力的な役柄を演じてくれる。
少年とリリアン・ギッシュとのりんごのシーン…。
主演の少年(ビリー・チャピン)も忘れがたい。

「人を裁くなかれ、自分が裁かれないためである」
masahitotenma

masahitotenma