ゴン吉

昭和残侠伝 唐獅子仁義のゴン吉のレビュー・感想・評価

昭和残侠伝 唐獅子仁義(1969年製作の映画)
4.0
昭和時代に繰り広げられるやくざたちの義理を描いた任侠作品「昭和残侠伝」シリーズの第五作目。 
高倉健が主演、池部良、待田京介、山本麟一、志村喬、河津清三郎が共演、藤純子がヒロインを務める。

昭和初期の浅草と大谷が舞台。
雷門組に組長を殺された蔵前一家の花田秀次郎(高倉健)は、渡世の義理で雷門一家の客分の風間重吉(池部良)と差しで勝負し、風間の片腕を切り落とす。
「勝負はこの場限り どちらが勝っても恨みっこなしですよ」 
花田は仙台刑務所から刑期を終えて出所すると、名古屋の石黒組で世話になっている蔵前一家の跡取りに会うために仙台から名古屋に汽車で向かうが、その車中で林田一家の親分・林田伝之助(志村喬)と知り合う。
伝之助は組員を堅気にさせて、石切り場を仕切っていた。
花田は蔵前一家の跡取りにあった後、伝之助の世話になるが、偶然、料亭川舟で芸者をしている風間の女房おるい(藤純子)と知り合う.... 

渡世の世界に生きる男たちの義理と任侠を描いた作品。
花田が世話になるのは林田一家で、組長からは堅気になることを勧められ、花田は組長にドスを預けて林田組が取り仕切る石材貯石場で汗を流す。
花田と対立するのは樺島組の組長・樺島岩蔵(河津清三郎)で、石切りの利権を狙って林田組に仕掛け、花田を匿った林田一組若頭の峰岸龍平(山本麟一)が樺島組に殺されてしまう。
シリーズお決まりの高倉健と池田良の二人による討ち入りが見どころで、池田良は片手の一本刀での討ち入りです。
渡世人・岩波藤吉(待田京介)がちょくちょく花田にちょっかいを出して、作品を盛り上げる。
風間の妻おるいを演じる富司純子が美しく、揺れる女心が切ないく哀しい結末が待っている。
「悪い女房になりたいんです」
花田が耐えて忍ぶが、最後はきっちり仁義を通す。
背中に彫られた唐獅子牡丹を露わに、片腕の風間とともに樺島組に討ち入り、大立ち回りで決めてくれる。

2024.5 BS12で鑑賞
2022.1 BS12で鑑賞
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