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ゆれるのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
3.5
「蛇イチゴ」に続く作西川美和監督の長編第2作で、代表作。

東京で写真家として働く猛(オダギリジョー)は母の一周忌で山梨に帰郷する。
父(伊武雅刀)と折り合いの悪く母の葬儀にも立ち会わなかったが、温厚な兄の稔(香川照之)が呼んでくれたのだった。
弟は兄が切り盛りする実家のガソリンスタンドで働く昔の恋人・幼なじみの智恵子(真木よう子)と再会し、その夜関係を持つ。
翌日、兄弟は智恵子と渓谷に出かけるが、弟が智恵子を避け単独行動している間に、高さ15メートルの吊り橋の上に兄といた智恵子が転落死する。
弟は落下の直前つり橋の上に智恵子と兄がいたのを見かけたが、その事を 隠していた。
やがて、兄は殺人容疑で逮捕され裁判が始まるが、裁判が進むに連れ弟の心はゆれる。
そして、被告側の証人として出廷した弟は決定的な発言をする。

~7年後~
母親が残した8mmフィルム「蓮見渓谷の思い出」と映写機が巧みに生かされ、バス停のラストシーンに繋がる。

「やめてよ。触らないでよ!」
「初めから人のことを疑って最後まで一度も信じたりしない。そういうのが俺の知っているお前だ」

転落事件をきっかけに兄弟間でくすぶっていた愛憎が顕在化して、隠れていた心理が浮かび上がってくるという巧みな展開。
事件の直接の発端はオダギリ・ジョーと真木よう子の一夜の関係。

オダギリ・ジョーと香川照之ともに好演。
兄弟二人の拘置所での接見場面、
後半に繰り広げられる裁判場面、
ラストシーンなど役者の見せ場が一杯。
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