2024年、2発目はこちらの作品にしました。
いつもの珈琲屋さんと映画話をすることが多いのですが、その方が"ここまでみせてくるなよってとこまでみせてくる作品"として紹介して頂いたので、とても気になっていたこともあり、本作を鑑賞したのです。
"ゆれる"、、タイトルがいいですね。
作品内で、さまざまな人物たちがゆれます。
感情がゆれる、未来がゆれる、事実がゆれる、思い込みがゆれる、、あらゆる面でゆれていきます。
私は本作を観るまでに香川照之さんという人物をよく知りませんでした。
顔は知っていましたが、演技を見たことはありませんでした。
彼が行った行為を知ってからは、避けてもいましたし、そういう目で見てしまうというか意識してしまうだろうなと思っていました。
なので本作を見るにあたっては、彼を役者として見ることにし、先ほどの意識下にあるものは考えないようにしました。
さて本作。
その香川照之さんがものすごい演技をしています。
いるよなこういう人、自分もなんだか当てはまる部分あるよなと感じたり。
兎にも角にもきつい、、すごく人間的なんですよ。
それがこんなにもきついのか。
特に無理して平静を装う顔がすごい。
そこからの感情を露わにしていくときの瞬間、抑止力がなくなった瞬間、、これが最高にいいです。
前述した珈琲屋さんの"ここまでみせてくるなよってとこまでみせてくる作品"と言っていた意味が分かります。
これって、”本当は思っているけども抑えているもの・言いたいけど言わないこと・善き人でいたいこと”なのかなと思いました。
だから、居心地が悪い。
なぜなら自分にも当てはまることを、客観的に見せられるから。
そしてエンディングに向かっていくシーンで、ゆれが最大になります。
そのあと2人はどうなったのでしょう。
ゆれが共鳴したのでしょうか。
ゆれたままでいるのでしょうか。
2人のゆれが揃うのでしょうか。
確実に観なかったであろう映画に、こうして出会えることも映画のいいところですよねと思った次第でした。