しろみさかな

アキラ AKIRAのしろみさかなのネタバレレビュー・内容・結末

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

とにかく大好きな作品で、また改めて見ました。良い…良過ぎてしぬ…。バイク好きな人、SF好きな人、レトロ好きな人、廃墟好きな人、とにかく全人類見てほしい作品です。
AKIRAの好きなところ、その1はやっぱり少年達の熱すぎる友情。金田と鉄雄の関係性がとにかく好き。鉄雄の気持ちが痛いほどわかります…劣等感、ヒーローになれないポジション…。やっぱり金田はかっこいい。憧れ。それが悔しい(笑)でもやっぱり金田に小さい頃から救われた鉄雄だから、最後にやっぱり助けて…と思う気持ちも痛いほどにわかるのです。これぞ思春期の友情だなぁと思うのです。私は女だから男同士のことはわからないけど、男の子ってきっとこんな感じなんだろうなぁと思いました。お互いに張り合ってライバル視していく関係性なんだろうなぁと。
AKIRAの好きなところ、その2はセリフと音の奇妙さです。セリフと音のなんだか奇妙な響きを感じます。何かで読んだのですが、最初に音を撮ってそれから作画したのだとか。だから感じる違和感なのか…。効果音もついつい口ずさんでしまう不思議さがあります。プラスで名セリフが多いところもすごく好きです。あなたがAKIRAで好きなセリフはなんですか…?(笑)
AKIRAの好きなところ、その3は破壊の美しさです。わたしは大友先生の映画はメトロポリスから始まったのですが、メトロポリスでもラストシーンでビルが崩壊するシーンに、とても美しさを感じました。ありえないくらいの大都市や、ビル、機械、車やバイクなどの乗り物などなど…それらが崩壊する姿は、めちゃくちゃリアル。現実世界ではこんな風に崩れ落ちてしまう姿は、なかなか見ることができません。でも絶望的でないのが、本当に不思議なのです。小さい頃ゴジラを見た時に、ゴジラが街を踏み潰してしまうシーンで心が痛んだのですが、何故かAKIRAではそれを感じなかったのです。もはや絶望を通り越したのかもしれません、あまりに圧巻すぎるのかもしれません。それくらいのスケールで崩れ落ちる様が描かれています。宮崎駿が自然の美しさを描いていると思うのですが、大友先生は人工物の美しさを描いていると思います。壮大なゴミになってしまった街は、ある意味廃墟を見た時に感じる静寂と美しさに近しいのかもしれません。
AKIRAの好きなところ、その4はバイクのシーンです。カーチェイスならぬバイクチェイス?スピーディー感が伝わりますし、ネオンっぽい光が美しい。こんな風に表現できるんだぁ!という驚きと、令和の今でも感じられる新鮮さ…。そして構図がとてもいいので、躍動感を1シーン1シーンに感じるのです。
語りきれないくらい好きなところがあります。この辺にしておきます。AKIRAの赤色の表現も、わけわからんSFっぽい奇妙さ(エヴァが大好きなのですが、エヴァを見た時の不可解さに近しい)、女の子キャラのブスさ(ごめんなさい)、ヤンキー文化、大佐の等身、もう全部やね!(笑)
是非。大好きな作品です。
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