新垣隆先生伴奏

伊豆のみかん畑で長い間眠っていたというフィルムは目が覚めるような艶やかなオリエンタリズム。発掘された喜びに満ち溢れるような溌剌とした瑞々しさに釘付け。なんと言っても見所は版画のようにフィルムを切り抜いて色を乗せるステンシルカラーの美しさ。本物のカラーと見紛うクオリティと特に光沢の表現が見事。ドイツには残ってないこのカラー部分が日本に残ってたという奇跡。
内容は魔法の笛で始まり蜃気楼のように終わるアラビアンナイトで、敵国の王女と王子の恋物語という昔から皆大体嫌いじゃないやつ。
ロシアの監督がドイツで制作したものでUFAの本領発揮と言わんばかりの豪華絢爛な舞台美術が圧巻。シンメトリーでオリエンタルな室内装飾とデザインが目の正月。どうしてもタイトルを東洋の神秘って言っちゃうんだけど、常石史子さんも言い間違えてて安心した