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007/カジノ・ロワイヤルのYYamadaのレビュー・感想・評価

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)
4.0
【スパイ映画のススメ】
〈諜報員〉🇬🇧イギリスMI-6 所属
ジェームズ・ボンド 
(ダニエル・クレイグ①)
 
◆作品名:
007 カジノ・ロワイヤル (2006)
◆ミッション:
テロ組織の資金洗浄の阻止
◆敵役俳優
マッツ・ミケルセン
◆ボンドガール女優
エヴァ・グリーン

〈本作の粗筋〉
・暗殺の仕事を2度成功させたジェームズ・ボンドは「00(ダブルオー)」に昇格し、最初の任務で、世界中のテロリストの資金運用をしているル・シッフルの存在を突き止める。
・高額掛け金のポーカーで資金を稼ごうとするル・シッフルと勝負するため、モンテネグロに向かうボンドの前に、国家予算である掛け金1,500万ドルの監視役として財務省から送り込まれた美貌の女性ヴェスパー・リンドが現れる…。

〈見処〉
①すべては007になるために─
 ボンドが、007になる前の物語。
・『007 カジノ・ロワイヤル』は、2006年に製作されたスパイ・アクション映画。イーオン・プロダクションズの「ジェームズ・ボンド」シリーズの第21作目にあたり、ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じた最初の作品。
・本作の原作となる、英国の作家イアン・フレミングが1953年に発表した同名小説はシリーズ第1作にあたるが、「007映画制作専門会社」イーオン・プロダクションズが設立されたときに、既に本作権利は売却されており、他資本にて、コメディ調作品として製作された『007 カジノ・ロワイヤル』(1967)とは、全く連関性はない。
・1998年に、イーオン・プロが本作原作の映画化権利を取得。ピアース・ブロスナン引退を契機に、新ボンドにより万を持して映画化するために温められていた企画である。

②ジェームズ・ボンド
・「ジェームズ・ボンド」は、作家イアン・フレミングが1953年に生み出した、英国秘密情報部(MI6)のエージェント。
・イーオンプロにより、1962年にショーン・コネリーがボンド役を演じた『007は殺しの番号』から始まった映画シリーズは、2021年現在『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』まで24作品が製作されている。
・また、独立プロダクションのボンド映画は『007/カジノ・ロワイヤル』と『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の2作がある。

③6代目ボンドのキャスティング
・『007 ゴールデンアイ』(1995)~『007 ダイ・アナザー・デイ』(2002)まで5代目ボンドを務めたピアース・ブロスナンの出演作品は、『ダイ・ハード』や『ミッション・インポッシブル』の影響を受け、アクション映画のブロックバスター化が進んでいた。
・しかしながら、2001年「9.11」米国同時多発テロ事件の発生や、『ボーン・アイデンティティー』(2002)の成功により、2000年代中盤になると、アクション・サスペンスに対するリアリティーが要求されだした時代。6代目ボンドには「21世紀が抱える問題を反映した現実的なボンド」として、クレイグが大抜擢されたが、当時は「金髪、青い目、低身長」のクレイグは大バッシングを受けた。(ドキュメンタリー『ジェームズ・ボンドとして』参照)。
・なお、他のボンド候補者になった俳優は(Wikipedia抜粋)、アレックス・オロックリン、ゴラン・ヴィシュニック、ヘンリー・カヴィル、ユアン・スチュワート、ジュリアン・マクマホン、ダグレイ・スコット、ジェームズ・ピュアフォイ、ヒュー・ジャックマン、クライヴ・オーウェン、ヨアン・グリフィズ、クリスチャン・ベール、エリック・バナ、コリン・ファレル、ジュード・ロウ、オーランド・ブルーム、ジョシュ・ブローリン、ベン・アフレックら200名にも及ぶ。最終的にユアン・マクレガー断ったため、ダニエル・クレイグにオファーがされている。

④結び…本作の見処は?
◎: 原作+新ボンドのキャスティングにより、ジェームズ・ボンド誕生の物語が描かれているが、本作を起点に『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』まで連なるシリーズ再構築が出来ており、伏線の数々が散りばめられている。
◎: エヴァ・グリーン扮するボンドガールとの情熱的な恋愛模様はシリーズ随一。
○: マッツ・ミケルセンとのカジノ対決は緊張感ある名シーン。
▲: 「007」になる前のボンドは、まだオシャレでない。
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