さ

霧の中の風景のさのレビュー・感想・評価

霧の中の風景(1988年製作の映画)
5.0
凍てつくような冬、姉弟は旅に出る…。
すべては、父に会うため──。

時がピタリと止まった雪が降る静寂な世界を駆け抜ける二人、海に浮かぶ巨大な手、一枚の絵画のような詩的なラスト……。
切ない、悲しいの連続。
あまりに痛切で美しい画の数々、エレニ・カラインドルーの哀愁漂う音楽が心に染み渡り、涙を誘う。
思わず二人を抱きしめてあげたくなったが、二人をただ見守ることしか出来ない虚しさと儚さ。胸が締め付けられる。

初のアンゲロプロス作品だったが、想像以上に良かった……
さ